大腸がん


大腸がんの基礎知識

日本人において最も多い死因は癌ですが、その中でも増加傾向にあるのが大腸がんです。食事の欧米化の影響で、今後も増えていくことが予想されていますので注意が必要です。

総称すると大腸がんでも、部位によって治療法が異なり、結腸がんや直腸がん、盲腸がんに分けられます。結腸がんはさらに、S状結腸がん、下行結腸がん、横行結腸がん、上行結腸がんに分けられます。患者さんとしては、どれに該当するかを理解しておくことは大切なことです。

検診に行くと、一般に便潜血検査を行っています。この方法は簡単に行うことができるスクリーニング検査として有用な方法ですが、精度には限界があります。内視鏡検査は精度が高いものの、患者さんの負担が大きいことや時間がかかることから、自覚症状や異常が見つかっていない方も含めて全員に行うのは難しいのが実際のところです。血便をはじめとした兆候が見られる方は、内視鏡検査を受けるとよいでしょう。

3人に1人が癌で亡くなる時代ですので、予防は大切なことです。幸い、大腸がんは食事との関連が深いため、食生活の改善によって予防することができます。端的に言えば、伝統的な和食に回帰することによって、罹患のリスクを減少させることができます。欧米型の肉食中心で野菜不足な食事にならないように気をつけましょう。

症状の進行度は病期で表され、ステージで分ける方法と、デュークス分類があります。若干の違いはありますが、内容はほとんど共通しているものですので、どちらを使っても構いません。どのステージに該当するかは、生存率を見る上でも重要な要素となりますので、しっかり把握しておきましょう。

大腸がんの初期症状はほとんどありません。血便や便通異常が比較的早くから起きることがありますが、初期症状と呼べるほどに早くから見られることはまれです。また、特徴的な兆候というわけでもないので、他の原因を疑って受け流してしまうことも多く、初期症状を自覚して早期発見をするのは困難です。

治療法は大きく分けて、内視鏡的治療、手術、抗がん剤、放射線治療があります。このうち、内視鏡的治療や手術は病変を切り取るもので、比較的症状が進行していない段階で用いられます。完治を目指すことができる治療法ですので、これらを適用できるうちに発見しておくことが、死亡率を下げるために重要です。

治療ガイドラインを定めている大腸がん研究会という団体がありますが、研究会については当サイトでもページを改めて解説します。

末期に進行していく過程では、転移が見られます。リンパ節や肝臓への転移が多く、これが原因で治療が難しくなり、再発することも多くなってしまいます。また、ステージが進行することにもなりますので、ガン細胞が広がってしまう前に処置を行うことが必要です。

闘病生活は楽なものではありません。このことは、大腸がんの手術体験談や闘病記を読んでも分かることです。しかし、検診で早い段階に発見すれば、十分に克復することはできます。手術を行えば、術後の機能障害が残ってしまうことはあります、人工肛門を必要とする場合もありますが、それでも命は助かりますので、毎年検診を受けておきましょう。

そして、大腸がんについての正しい知識を持つことで、もし兆候が見られる場合には病院に行って、専門医の診断を受けておくようにしましょう。予後を左右する要素の一つに、発見時の症状の進行度があります。放置しないことが大切です。

大腸がんの統計

年齢で見ると、罹患率が高くなるのは50歳前後からで、高齢になるほどに患者数が増加する傾向があります。これは、直腸がんや結腸がん、盲腸がんといった部位別に見ても同様の傾向があります。

男女別に分けてみると、男性は女性の2倍ほどの罹患率と死亡率があります。男女差は直腸がんにおいて大きく、結腸がんでは直腸がんほどの開きはありません。

罹患数は死亡数の倍ほどになっています。生存率の低いすい臓がんのような癌の場合には、両者の間に大きな差がないものですが、大腸がんにおいては生存率が高めであることが、ここからも分かります。つまり、罹患してしまえばもう手遅れということではなく、十分に希望が持てるのです。

食生活の欧米化によって、増加傾向にありますので、男女共に油断できません。なお、食事のほかに、運動もリスクの管理に役立つとされています。

遺伝的要素もあるものの、それよりも環境的な要因による影響が大きいため、食事や生活習慣によってリスクを高めることにつながることもある反面、予防することもできます。

確かに、死につながることのある病気です。しかし、症状が進行する前に見つけられれば、十分に対応できるところまで医療は進歩しています。

大腸がんのステージと生存率

大腸がんの症状の進行度はステージで表されており、0期から4期までに分類されています。数字が大きくなるほど進行していることを表しています。

このステージと密接な関連を持っているのが生存率です。生存率はステージ毎に示されることが多く、症状が進行することが命に与える影響を如実に物語っています。

告知を受けた場合には、どのステージに該当するかを聞いておくことによって、それに対応する生存率について理解することができます。

進化する大腸がん治療

かつて、癌といえば不治の病の代名詞のような存在でした。しかし、医療は常に進歩しています。新しい治療法や薬剤の登場、診断技術の向上は目覚しいものがあります。

今では、早期に発見できれば、という条件付きではありますが、大腸がんは完治を望むことができる病気になりました。手術の方法にしても、開腹だけではなく腹腔鏡手術が進歩しており、体にかける負担を少なくして治癒する例も増えています。

癌という診断を受けても絶望する必要はありません。まずは、大腸がんという病気について知ってください。そして、症状の進行度や転移などについても確認しておきましょう。治るという希望と正しい知識を持って闘病をすることが大切です。

大腸がんの早期発見のために

初期症状のうちに見つけることができれば、高い確率で完治させることができます。それに対し、転移が進んでしまうと治癒が望めない末期になってしまうこともあります。そのため、どのタイミングで見つけることができるかによって、治療後の経過が大きく変わります。

早期発見の方法としては、検診を受けておくことが大切です。大腸がんの場合には、有効な方法が確立されているため、これを利用することが身近で現実的な方法と言うことができます。

毎年受診することが基本ですが、これを面倒に感じる方もいると思います。去年は異常がないという結果になったのだから、今年は検査を受けなくても大丈夫だと考えることもあると思いますが、実際には前回の検診のときに癌が存在した可能性もあります。異常なしという結果は、見つからなかったというだけで、体が健康であることを保障するわけではないためです。

そのため、毎年受診しておくことによって、見落とされてしまったままになるのを防ぐことができます。したがって、1年に1度は検診を行うことが求められます。

また、症状が出た時に放置しないことも大切です。たとえば、血便が見られる時には原因は色々なものが考えられます。身近なところでは痔の可能性も考えられますし、胃の病気であるかもしれません。可能性は様々ですので、つい軽いものとして考えてしまいがちです。

しかし、大腸がんは症状が現れた時には進行していることが多くなります。初期であれば無兆候であるのが一般的ですので、自覚することができるようになった頃には進行した状態である可能性が高くなります。もちろん、必ずしも癌というわけではありませんが、その危険性がある場合には病院へ足を運んでおいたほうが安心です。

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